アンケート質問法〜SAマトリックス質問を上手に使うポイント

アンケート質問法〜SAマトリックス質問を上手に使うポイント

調査での回答方法にSAとMAがあります。

SAは「当てはまるもの一つだけに○をつけて」もらう単一回答方式のことで、MAは「当てはまるものすべてに○をつけて」もらう複数回答方式のことです。

さらに、いくつかのSAをまとめたSAマトリックス質問方式もあります。
たとえば、以下の例のように、複数の項目について、同じ種類の評価(以下の例の場合には、あてはまる/あてはまらない度合い)をしてもらう場合によく使われる方式です。

SAマトリックス質問の例

SAマトリックス質問には、

  • 質問文が1つで済むため、多くのスペースを必要としない。
  • 「あてはまる」度合いや「満足している」度合いなど、評価の種類が同じ質問がまとめられているため、回答しやすい。

などのメリットがあります。

加えて、インターネット調査では、10項目までのSAマトリックス質問は1問としてカウントされますので、コスト的にも割安になります。

たとえば、10項目のすべてを一般的なSA質問方式にする場合は、そのまま10問とカウントされるのに対して、10項目のSAマトリックス質問にすれば、1問換算となるわけです。
1/10のコストで実施できますので、この点は非常に魅力的なメリットです。

しかし、お得だからと言って、なんでもかんでもSAマトリックス質問にするわけにはいきません。

SAマトリックス質問方式には、以下のようなデメリットがあります。

  • 回答チェックのしやすさから、よく読まずに回答されかねない。SA質問では回答するのに10秒かかったところを、SAマトリックス質問にすると、1項目あたりの回答時間が0.5秒だったという事例が報告されています。
  • 項目間の相関が高くなりやすい。たとえば「親しみやすい」と「親しみを感じない」のような意味合いが背反する項目間の相関も高くなる傾向。
  • リストの上の方にある項目は評価が高くなり、下の方にある項目は評価が低くなる傾向がある。
  • 郵送調査など自記式調査の場合、モレヌケによる無回答が多くなる。

上にあげたようなデメリットを認識したうえで、SAマトリックス質問方式を上手に使いこなすことができれば、データの精度をある程度は維持しながら、回答しやすく、さらにコスト的に割安な調査を実施することができます。

まずポイントとなるのは、特に重要な情報は、SA方式で聞くということです。

そのうえで、SAマトリックス質問については、以下の例のように、評価ラベルを数項目ごとに挟み込むようにしてみるとよいでしょう。

SAマトリックス質問の工夫例

また、マトリックス内の項目をランダマイズすることも有効です。
郵送調査のように紙の調査票を使用する場合には、項目リストの上下を入れ替えたものを2種類用意して、ランダムに発送することができればよいと思います。

メリットとデメリットは背中合わせ。
特徴をよく理解した上で、上手にメリットを引き出す工夫を考えることがポイントとなります。