川崎の観光名所の話

川崎の観光名所の話

先日、武蔵溝ノ口駅で開催された「Buyかわさきフェスティバルinたかつ」に出掛けてきました。
改札前の自由通路で、地ビールに甘納豆やドーナッツ、さらには産直野菜(とうもろこし、3本が550円くらい!)など、さまざま川崎の名産品が展示・販売されていました。どれも美味しそうで目移りしましたが、今回は、川崎大師名物の久寿餅を買って帰りました。・・・好きなんです。和菓子が。

さて、川崎大師といえば、初詣の人出で有名ですが、皆さんは行ったことがありますか。
東京に住んでいるけど、東京タワーにはのぼったことがない、など、身近にある観光名所には行ったことがない人が、意外と多いものです。
グルーブワークスでは、神奈川県内在住の15歳以上の男女1,343人を対象として、神奈川県内の観光名所などへの来訪経験などを調査しました。

【調査の対象となった観光名所など】
① 全国的にも有名な観光名所:横浜中華街、湘南海岸・江ノ島、箱根
② 全国的にも有名な寺社:鶴岡八幡宮、川崎大師
③ 横浜市内、川崎市内の有名なレジャースポット:横浜・八景島シーパラダイス、川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム

まずは、それぞれの観光地などについて、全対象者中の以下の人の割合を、左から順に並べた「認知・来訪・推奨ウォーターフォールチャート」を見てみましょう。

左:認知している人の割合(認知)
中:来訪したことがある人の割合(来訪)
右:来訪を推奨する(「必ずすすめる」または「すすめる」と回答した)人の割合(推奨)

① 全国的にも有名な観光名所
さすがに神奈川県が誇る観光名所ですね。3か所のいずれも、これまでに行ったことがある人の割合が8割を超え、推奨意向も5割を超えています。

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② 全国的にも有名な寺社
鶴岡八幡宮、川崎大師ともに、認知率は9割程度でしたが、来訪経験率と推奨意向では、鶴岡八幡宮の方が川崎大師よりも2割程度高くなっています。

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③ 横浜市内、川崎市内の有名なレジャースポット
八景島シーパラダイスの認知は、箱根などの観光スポットと同程度の9割に上り、来訪経験も鶴岡八幡宮並みの7割近くでした。
一方、藤子・F・不二雄ミュージアムは、認知率は7割を超えていますが、来訪経験率は1割程度に留まっています。「行ったことはないが、今後行きたい」人の割合が3割に上っていますので、まったく関心がないというわけではないようです。

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マーケティングの大家であるコトラーは、その近著「マーケティング4.0」において、PAR(購買行動率)とBAR(ブランド推奨率)が、顧客関係のパフォーマンスを測る2つの価値ある指標であると提唱しています。

PAR(購買行動率)
購買行動をとる人の数÷認知している人の数から算出する。
ブランド認知をブランド購買にコンバートすることに、どれくらい成功しているかを見ることができる。

BAR(ブランド推奨率)
自発的に推奨する人の数÷認知している人の数から算出する。
ブランド認知をブランド推奨にコンバートすることに、どれくらい成功しているかを見ることができる。

今回の調査データをもとに、②寺社と③レジャースポットについてPAR/BARの比較をしてみました。

② 全国的にも有名な寺社のPAR/BAR
毎年300万人ともいわれる参拝者を集める全国有数の初詣スポットである川崎大師ですが、全国有数の観光地である古都・鎌倉の誘客力を背景に持つ鶴岡八幡宮に比べると、PAR、BARともに低くなっています。
川崎市居住者ベースでみた川崎大師のPAR/BARでも、神奈川県居住者ベースでの鶴岡八幡宮のPAR/BARよりも低くなっています。
川崎市は南北に長い地形をしており、南武線が市内を縦断する形で走っているのですが、南武線の駅がない北部の麻生区や宮前区から、川崎駅方面に出かける機会は多くはないでしょうから、川崎大師のある「川崎」への心理的な距離感が結構ありそうです。
「Buyかわさきフェスティバルinたかつ」のようなイベントを通じて、「川崎」への理解が深まり、愛着が強まっていくとよいですね。

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③ 横浜市内、川崎市内の有名なレジャースポットのPAR/BAR
藤子・F・不二雄ミュージアムの県ベースでみたPARは横浜・八景島シーパラダイスの2割程度のレベルに留まっています。それぞれの地元ベースでみた場合にも、藤子・F・不二雄ミュージアムのPARは八景島シーパラダイスの3割弱程度のレベルに留まっています。
藤子・F・不二雄ミュージアムが日時指定の完全予約制で思い立った時にフラっと立ち寄れるような場所ではないことも影響しているものと思います。
先に見たように、藤子・F・不二雄ミュージアムに対しては、県ベースで29%(川崎市ベースでは35%!)の来訪意向が示されており、関心度はかなり高いものがあります。
藤子・F・不二雄ミュージアムがある生田緑地には、緑豊かな自然の中に日本民家園やプラネタリウム、岡本太郎美術館などの芸術や科学、歴史に触れることができる施設がありますので、たとえば、藤子・F・不二雄ミュージアムを起点として、生田緑地全体を計画的に回遊してもらうのもよいでしょう。名産品などをからめて、回遊中の小腹を満たす「食」の要素をうまく組み込むことができれば、川崎での1日を満喫できる魅力的な観光スポットになりそうです。

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