世帯年収の話

厚生労働省が平成26年(2014年)国民生活基礎調査の結果を発表しました。
それによると、平成25年1月1日から12月31日までの1年間における1世帯当たり平均所得金額は 528万9千円とのことです。

【各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移】
各種世帯の1世帯当たり平均所得金額の年次推移

ちなみに、分布と平均値・中央値は以下の通りとなっています。

【所得金額階級別世帯数の相対度数分布】
所得金額階級別世帯数の相対度数分布

「平均値」や「中央値」の考え方については、先日の記事「日本人はいくら貯金してる?」でご紹介しましたね。

さて、一般に、年収を聞く質問では不明・拒否による無回答が少なからず発生します。
弊社の経験では年収無回答割合はだいたい2~3割に上ることが多いのですが、国が実施する調査ではいったいどの程度なのでしょうか。

政府統計の総合窓口である「e-Sat」で調べてみたところ、国民生活基礎調査での年収無回答割合についてヒントとなるような情報を見つけることができませんでしたが、「平成25年通信利用動向調査」(総務省)では「不明」割合が5.6%となっていました。

調査の時期や調査方法が異なりますので、厳密な比較には無理がありますが、国民生活基礎調査の分布と通信利用動向調査の不明回答を除いた有効回答ベースでの分布を比較すると以下の通りとなります。

【世帯年収の分布比較】
世帯年収の分布比較

こうしてみると、同じ国が実施した調査でも随分と分布の形が異なっています。
民間の調査の場合には、分布の山がもう少し右側にずれる形、つまり年収が高い層の割合がもう少し多くなるように思います。

対象者にとって、「収入・所得」は年齢や学歴などとともに「答えいにくい」「答えたくない」質問です。

調査を実施する側としては、100%の正確な情報を得ることはほぼ不可能に近いことを理解したうえで、できるだけ正確な情報を得ることができるよう、「何のためにその情報が必要なのか」について十分な説明を行い、対象者に納得してもらったうえで回答してもらうことが重要です。

そのうえで、例えば「収入・所得」であれば「対象者個人のことなのか、あるいは世帯単位なのか」「年間の合計額(年収)なのか、1か月あたりの平均額(月収)なのか」「税込か、手取りか」などを明確にして質問する必要があります。

そして何よりも、そうして収集した貴重な情報を最大限に有効活用して、よりよい商品やサービスの開発に役立てる責務があることを肝に銘じなければなりませんね。

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