アンケート作成の流れ

アンケート作成の流れは、

  1. 「誰に」「何を」「何のために」聞くのかを整理する
  2. 「何を」聞くのかを具体的な質問項目に落とし込む
  3. それぞれの質問の回答形式を決める
  4. 全体の構成や質問の順番を決める
  5. 項目数やレイアウトの最終調整を行う

です。

「1. 『誰に』『何を』『何のために』聞くのかを整理する」というのが調査目的になります。
そして、調査目的によって、顧客満足度調査(CS調査)なのか、ブランドイメージ調査なのか、商品開発調査なのかといったアンケートの種類が決まります。

実はそれぞれのアンケートの種類に対して、オーソドックスなアンケートの「型」があります。
はじめてでも失敗しないアンケート作成のコツは、ただ聞きたい質問を自己流で並べていくのではなく、上手なアンケートをまねて「型」に合わせることです。

これから説明する内容については要約版のPDFファイルもありますので、後でご覧になりたい方はダウンロードしてください。

アンケートの目的を整理する

ポイントを絞った答えやすいアンケートを作るためには、

誰にお店に来たお客様に
何をどの程度満足してくれたかを
何のためにリピーターを増やすための改善点を見つけるために

といった具合に聞きたい項目を整理しましょう。
アンケートの目的がはっきりすれば、調査の種類が自ずと決まってきます。

アンケートの「型」とは?

たとえば、こちら(アンケートのテンプレート集)でいろいろな種類のアンケートのテンプレートがWordファイルで無料ダウンロードできますが、その中から「お店の来店客アンケート」を見てみましょう。

A4サイズ1枚の簡単なアンケート用紙です。
内容をみると、上から順に

  • 全体評価質問パート(+評価理由の自由回答)
  • 個別評価質問パート
  • 実態質問パート ※テンプレートでは認知経路を質問
  • 属性(デモグラフィックス)質問パート(性別、年齢など)

の構成となっています。
これがアンケートの「型」です。

アンケートの構成

来店客にお店の評価を聞きたい場合、とりあえずこのテンプレートをもとにアンケートを作れば、質問項目や質問数が異なっても大きな失敗はないでしょう。

アンケートの回答形式

アンケートの回答形式は、大きく「選択肢回答」と「自由回答」に分かれます。

選択肢回答選択肢の中から当てはまるものを選んでもらう回答形式
自由回答回答者の言葉でコメントや数字(人数、金額など)を答えてもらう質問形式

自由回答は読み解くのが難しいのでYes・Noで答えられる選択肢回答にするべきという人がいます。しかし、Yes・Noの判断自体が難しい場合がほとんどです。判断の理由を自由回答で聞くことでYes・Noの濃淡の程度が分かります。

もっとも、回答しやすさを考えると、選択肢回答を中心として自由回答はどうしても本人の言葉を聞きたい1~2問に絞りましょう。

また、選択肢回答にはいくつかのタイプがあり、答えてもらう選択肢の数の違いで「単一回答」と「複数回答」に分けられます。

単一回答当てはまる選択肢を一つだけ選んでもらう回答形式
複数回答当てはまる選択肢をいくつでも選べる回答形式

複数回答には、選択肢の数が多くなると選ぶのが大変になる、選択肢リストの最初の項目が選ばれやすい、などのデメリットがあります。

最も重要なことがらについては、できれば「単一回答」で聞いておくと、あとで分析するときに使い勝手がよいです。

さらに、評価方法のタイプとしては「段階評価法 (リッカート尺度)」「SD法 (Semantic Differential)」などがあります。

段階評価法
(リッカート尺度)
意見や態度の程度を5段階や7段階などで評価してもらう代表的な回答形式
SD法
(Semantic Differential)
ある事柄に対する印象などを対立する形容詞の対を用いてどちらにより近いか評価してもらう回答形式

他にもいろいろな回答形式がありますが、評価質問は段階評価法が一般的です。

アンケートの回答形式(Webアンケート)

ページ数やレイアウト上の制約がある紙のアンケートに比べると、Webアンケートは作りやすいでしょう。
Googleフォームなど無料で使えるWebアンケート作成ツールも増え、誰でも簡単にアンケートが作れるようになりました。

Webアンケートで一般的に使われる主な回答形式の用語には、以下のようなものがあります。

ラジオボタン単一回答で使用
チェックボックス複数回答で使用
マトリクス同じ選択肢で複数の項目について質問する場合に使用
スケール段階評価法で使用
テキストボックス自由回答で使用

それぞれについての回答画面の例は以下のとおりです。

●ラジオボタン(単一回答で使用)

ラジオボタン

●チェックボックス(複数回答で使用)

チェックボックス

●マトリクス(同じ選択肢で複数の項目について質問する場合に使用)

マトリックス

●スケール(段階評価法で使用)

スケール

●テキストボックス(自由回答で使用)

テキストボックス

しかし、アンケートづくりの基本は、紙の場合もWebの場合も変わりません。紙でも、パソコンでも、スマホでも、回答デバイスによらず同じように答えやすいのが上手なアンケートです。

Webアンケートだと

○ 回答形式に応じた回答数の制限
⇒ 例えば、単一回答(ラジオボタン)では1つしか回答できないようにする

○ 必須回答の設定
⇒ 回答モレがあるとエラー表示が出て先に進めないようにする

○ 回答条件に応じた質問/選択肢の表示
⇒ その回答者に該当する質問/選択肢のみ表示する

○ 選択肢の排他設定
⇒ 例えば、「どれもない」と他の選択肢が同時に選ばれるなどの回答矛盾があった場合にエラー表示する

○ 質問文中における回答結果などの引用
⇒ 上記のテキストボックスの質問例のように、評価質問の回答結果などを質問文中に表示する

○ 項目や選択肢のランダマイズ
⇒ 提示順序による回答バイアスの影響を除くため、回答者ごとにランダムな順番で項目・選択肢を表示する

○ プルダウン(ドロップダウン)リストの使用
⇒ 選択肢を一覧表示せず、クリックすると項目リストが現れるようにする

など、紙ではできないような画面制御が可能です。

紙のアンケートの場合、データ入力後にエラーを修正するデータクリーニング作業を行うのですが、答えやすい上手なアンケートとは、紙でも(ほとんど)回答エラーが生じない、Webで特に画面制御しなくても(ほとんど)エラーが生じないようなアンケートだといえるでしょう。

アンケート質問の流れ

全体の構成や質問の順番について、以下のようなセオリーがあります。

  • 全体的な質問から個別的な質問へ
  • サクサク答えやすい質問からはじめ、考えさせる質問は後半へ
  • 重要/優先度の高い質問は、できるだけ回答疲れしない前半に聞く
  • 前の質問の情報に影響されてはならない認知度などの質問は先に聞く
  • 性別、年齢などの属性質問は最後に聞く

特別な質問意図がなければ、上記に従ってアンケートを作成しましょう。

個々の質問では、項目や選択肢の順番が回答に影響を与えてしまう(最初の項目が選ばれやすくなる初頭効果など)順序バイアスにも注意しなければなりません。

アンケートのボリュームやレイアウト

ひととおりアンケートができあがったら、以下の3点に留意して見直しましょう。

できるだけ回答時間が5~10分ですむよう質問数、項目数の調整をする。

アンケートの答えやすさにもよるので、一概に何問以内にすべきとは言えませんが、 長くても10分以内に回答できるのが望ましいです。
紙のアンケート用紙ならA4サイズで多くても8ページ以内におさめましょう。

質問文や選択肢の表現、言葉づかいが適切かチェックする。

こちらの質問意図を正しく理解して、モレ・抜けなく最後まで答えてもらうためには、読む人によって解釈が異なることがないよう簡潔・明瞭な質問文、選択肢にしなければなりません。
基本的な注意点は以下のとおりです。

  • 質問文も選択肢も必要最小限の長さにする。
  • 選択肢の項目は、お互いにダブらず、モレのない(MECE)ようにする。
  • 「最近」「ときどき」などあいまいな表現は数値化する。
  • 1つの質問で2つ(以上)の内容を聞かない。
  • 属性質問の選択肢に配慮する。

余計なものは除き、すっきりしたレイアウトにする。

文字やレイアウトがすっきり見やすければ、とりあえず回答してみようかという気持ちになってくれます。
余白があるからといってアンケートに直接関係のないイラストなどを入れるのはやめましょう。

なお、

  • 質問数や回答時間で望ましいのは?
  • 全体評価や個別評価項目は何段階評価で聞く?
  • 自由回答(フリーアンサー)質問はアンケートの最後?
  • 個別評価項目のワーディング(言葉づかい)や項目数で気をつけることは?
  • 今のご時世、性別・年齢などの属性を聞く際の注意点は?

などの疑問点については、以下のコラムでお答えしています。

コラム>リサーチ>アンケート方法

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