アンケートの協力率が伸びない・・・。
一部の人の声しか聴けていない・・・。
不十分な調査から得られた情報は、意思決定の参考にはなりにくく、価値あるデータとは言えません。
調査のやり方を見直してちょっとした工夫をすることで、調査の価値を高めることができます。
今回ご紹介するのは、Webアンケートと紙のアンケートを併用する方法です。
紙のアンケートというと集計・分析のためのデータ入力やWeb回答データとの結合などの手間があり、敬遠しがちです。さらに、郵送調査の場合、必要な作業工程数も多く、担当者は二度とやりたくないと思うことでしょう。
しかし、面倒な紙の取り扱いは外部のプロに委託すれば、それなりにお金はかかるものの、慣れない面倒な作業に人手と手間をかける必要がありません。
協力率が5%上げれば、その分、データの精度が上がります。偏りのない幅広い意見を集めることができれば、その分、意思決定に臨む視野が広がります。つまり、工夫次第で調査の価値を高めることができるわけです。
Webアンケートの弱点を紙で補完する
最近の市場調査はWebアンケートが主流です。
調査員がアンケート用紙を持って一人ひとりインタビューするのに比べ、圧倒的に低コスト、短期間で手軽に実施できるようになったからです。
Webでの調査は、
- インターネット調査会社の登録パネルを利用する
- 自社ホームページ・SNS上で誰でも回答できるオープン型アンケートを実施する
- 保有しているメールアドレス宛にアンケート画面のURLを送信する
- イベント会場などでタブレット端末を用意し、その場で回答してもらう
といった形になりますが、それぞれ留意すべき点があります。
「インターネット調査会社の登録パネルを利用する」場合の留意点
大手のインターネット調査会社は国内のモニター登録者数が数百万人とうたっていますが、当然ながらどのインターネット調査パネルにも登録していない人の方が圧倒的多数です。
また、高齢者のモニター数も増えているとはいえ、PC・スマホやインターネットスキルなどの点から、必ずしも同世代を代表しているとはいえないようです。
「自社ホームページ・SNS上で誰でも回答できるオープン型アンケートを実施する」場合の留意点
自社サイトの不特定多数の訪問者から任意で調査に協力してもらうのは、あまりに非効率で統計的信頼性にも欠けます。
「保有しているメールアドレス宛にアンケート画面のURLを送信する」場合の留意点
メールアドレスなど個人情報の取り扱いには注意が必要です。
特に企業相手の場合、アンケート協力依頼は書面で丁重に行うのが望ましいです。
「イベント会場などでタブレット端末を用意し、その場で回答してもらう」場合の留意点
タブレット端末を準備する必要がありますし、トラブル対応のために誰か常駐する必要もありそうです。来場者の人数や客層によっては、紙のアンケートを置いた方が多くの回収数を見込めるでしょう。
Webアンケートの弱点を紙のアンケートで補うことができます。
紙のアンケートの可能性を拡げる
一方で、高齢の顧客が多いからと紙のアンケート以外での実施は考えられないという方もいます。
同様に、
- 会員向けアンケート
- お店やイベントなどの来訪者調査
なども、一般的に紙のアンケートの方が望ましいタイプの調査です。
しかし、それは対象者にアプローチする手段としてであって、回答方法を紙に限る必要はまったくありません。
アンケート用紙にアンケート画面のURLやQRコードを記載し、紙で回答するかWebで回答するかは対象者に選んでもらえばよいのです。郵送で返送してもらう場合にも、料金受取人払を利用すれば切手代を無駄にすることがありません。
郵送調査では、自由回答欄に手書き文字ではなくわざわざ印刷した文字を貼り付けたり、別紙を同封したりする対象者がいます。こういう人は、もしWeb回答も可能だったらそちらを選んだでしょうし、中には紙での回答は面倒だから協力しなかったが、Webで回答できたら協力していた、という人がいたかもしれません。
紙とWebを併用することにより調査の協力率を高められるわけです。
Webアンケートにするか、紙のアンケートにするか、どちらか一つに限定する必要はありません。好きな方法を選べるようにしておけば、Webと紙のメリットを生かして回答しやすい調査にすることができます。
選べることで価値を高めるWeb回答併用型郵送調査について、以下のページで詳しく説明しています。