「費用感」を知りたい
調査についてのよくあるお問い合わせに、
「費用感を知りたい」
というものがあります。
「ピンキリなんでしょうが・・・」がくっついてくることもあります。
調査費用には確かに「ピンキリ」のところがあります。
100サンプルで数千円というインターネット調査がある一方で、6〜8人程度の対象者でありながら1グループ100万円を超えるグループインタビューもあります。
そこで、現実味のある「費用感」を割り出すためには、的を絞ることが有効です。
具体的には、リサーチにおける6つの「W」を意識していただくことです。
調査における6つのW
Who:誰から
What:どのような情報を
When:いつ
Where:どこで
Why:なぜ
Way:どのようにして
この6つの「W」がわかれば、対象者や手法、分析方法などのイメージが膨らみますので、結構イイ感じの「費用感」をお伝えすることができます。
また、プリテスト/事前調査をしてみることも非常に有効です。
調査といっても、「Who:誰から」を見極めたり、「What:どのような情報を」リストアップしたりするための数問程度の「プチテスト」です。
手元に何も情報がない状態でアレコレ思い悩むよりも、「プチテスト」から得たちょっとした情報がヒントとなって、狙い定めるべき的をさらに絞り込んでいくことができます。
ちょっとしたデータが、目の前の重い扉を開く鍵となることもありますので、「プチテスト」をいくつか重ねるだけで、課題解決のヒントをつかむことができるかもしれません。
調査のお値段と価値
調査手法別費用目安
市場調査には、大きく分けて、定量調査と定性調査の2つのタイプがあります。
定量調査は「数値」で表すのに対して、定性調査は「コトバ」で表す調査です。
さらに定量調査での「数値」の調べ方についても、様々な調査手法があります。
それぞれの手法には、メリット・デメリットがあり、コストとの兼ね合いで、調査の目的にあう調査手法を適用することになります。
■ 調査手法比較表
手法 | 具体的な調査方法 | 実施可能質問量 | 実査期間 | 実査費用 |
---|---|---|---|---|
訪問面接調査 | 調査員が対象者の自宅を訪問し、対象者との対面で聞き取り調査を行う | 多い | 中 | 非常に高い |
訪問留置調査 | 調査員訪問時に調査票を預け、回答記入後、訪問または 郵送で回収する | 多い | 長い | 高い |
電話調査 | 対象者宛に電話をかけ、電話口で読み上げた質問に回答してもらう | 少ない | 短い | 中 |
郵送調査 | 対象者宛に調査票を郵送し、回答記入後、返送してもらう | 中 | 長い | 安い |
会場調査(CLT) | 対象者に、調査会場に来てもらい、そこで面接や自記式で質問に回答してもらう | 中 | 中 | 高い |
インターネット調査 | 登録モニターなどに調査協力を依頼し、 インターネット画面上で回答してもらう | 中~多い | 非常に短い | 非常に安い |
この十数年の間にインターネット調査が普及し、大規模のデータを、短期間に、かつ、低コストで収集できるようになってきています。
たとえば、商品・サービスの普及率やシェアを把握することを目的として、n=2,000人を超える大規模な訪問面接調査を全国規模で実施しようとすると、実査費用だけで2,000万円程度が必要になります。
これに対して、インターネット調査であれば、百万円台どころか、数十万円程度で実施できてしまう場合があります。
■ n=3,000人の利用実態調査(40問程度)を全国規模で実施する場合の調査費用(目安)
調査の種類 | 費用目安 | 調査期間目安 |
---|---|---|
訪問面接調査 | 3,000~4,000万円 | 1.5~3か月間 |
訪問留置調査 | 1,500~2,000万円 | 1.5~3か月間 |
インターネット調査 | 100~300万円 | 2週間~1か月間 |
さらに、最近では、無料で実施できるセルフ型アンケート調査のシステムもあります。
いまや大企業でなくとも、それこそ、個人でも調査を実施することができるようになってきているわけです。
その気になれば無料でできる調査を、わざわざ市場調査会社に依頼して実施する意味
予算というものがある以上、「安い」に越したことはありませんが、「安い」=「よい」調査とは限りません。
限られた予算の中で、最大限の「価値」を生み出すことが、「よい」調査に求められる要件です。
「言うは易く行うは難し」
人を相手にする調査は、なかなか思い通りにはいきません。
よほどの天才でない限りは、場数を踏む中で経験値を高めていくことで、だんだんと最適解に近づいていくことができます。
調査会社が提供しているのは、この経験値が生み出す「価値」なのです。
専門家としてお答えします
わからないことは詳しい人に聞けば、無駄な遠回りがありません。
「ここがわからない」「あんなことを知りたい」など、漠然としたもので構いませんのでご相談ください。
市場調査の専門家として「こういう方法がありますよ」と道案内いたします。