便利なマトリックス質問

アンケートの回答方法には、選んでもらう選択肢の数によって以下の3種類があります。

回答方法質問例
SA(Single Answer)単一回答当てはまるものを一つだけに選んでください
MA(Multiple Answer)複数回答当てはまるものをすべて選んでください
LA(Limited Answer)限定回答当てはまるものを3つ(まで)選んでください
※「3つ」が多いようです

「アンケート上手になるための聞き方の工夫~①質問項目の作りかた」で例としてとりあげた「お客さまセンターのオペレーター評価」のように、同じテーマで同じ回答方式の質問が続く時は、ひとまとまりの表形式にまとめると答えやすくなります。

これがマトリックス質問で、単一回答の質問をまとめたものをSAマトリックス質問、

ブランドイメージについてのSAマトリックス質問の例

複数回答の質問をまとめたものをMAマトリックス質問と言います。

広告認知についてのMAマトリックス質問の例

うまく組み立てれば、答えやすく、時間や費用の節約にもつながる何かと便利な方法です。

マトリックス質問を使う時に注意すべき3つのポイント

しかし、マトリックス質問にはいくつか懸念されるデメリットもあります。

飛ばし読み

ひとつずつ分けて質問した場合は1問回答するのに10秒かかったところを、SAマトリックス質問にすると、1項目あたりの回答時間が0.5秒だったという事例が報告されています。

回答チェックのしやすさから、よく読まずに回答されかねない点に留意が必要です。

無回答の発生

郵送調査など自記式調査の場合、モレヌケによる無回答が多くなります。
また回答欄のズレ(間違って1行下にチェックした)も起こりやすいです。

回答精度の低下

深刻なのは回答品質が(やや)低くなるおそれがある点です。
ひとつずつ分けて聞いた場合にくらべると、マトリックス質問では、より似通った回答傾向になりがちです。
たとえば「親しみやすい」と「親しみを感じない」のような意味合いが背反する項目間に正の相関がでたりして、精度の低いデータになってしまうことがあります。

マトリックス質問を使いこなすコツ

マトリックス質問を上手に使いこなすコツは、

  • ひとまとめにする項目が多すぎないようにすること
  • 似た項目が並ばないようにすること
  • わかりやすい項目にすること

などがありますが、一番大切なのは、特に重要なことについては単独で聞くことです。
質問の表現や並べ方の工夫に加えて、回答方法にもメリハリをつけることで無駄や無理のない調査票に仕上げることができます。

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