商品開発のアイデア出し~顧客ニーズをとらえるための聞き方の工夫

私たちは「形にして見せてもらうまで、自分が何を欲しいかはわらない」から、調査をしても意味がないという人がいます。確かに、アンケートで「あなたが欲しいものを具体的に教えてください。」と聞いても、使える情報を得るのは難しいでしょう。

だからといって、アイデアが天から降りてくるのを待っているだけでは、よほどの天才でない限り、いつまでたっても消費者の期待に応えることはできません。

ニーズを、

  1. すでに顕在化しているニーズのうち、現在満たせていないもの
  2. なんとなくぼんやりとした「雰囲気」があって、そろそろ顕在化しそうなニーズ
  3. 今までだれも思いつかなかったような製品やサービスが出てきて初めて気づく潜在ニーズ

の3つの区分に分けてみると、①と②についてはリサーチで迫ることができそうです。

①「顕在化している未充足ニーズ」を見つける方法

①の「顕在化している未充足ニーズ」を見つける方法としては、期待度や重視度と満足度を組み合わせて、期待・重視しているのに満足していないものを見つける方法があります。

期待度や重視度と満足度を組み合わせて、期待・重視しているのに満足していないものを見つける

満足度調査で使われるCSポートフォリオ分析などもこのタイプのアプローチですね。

また、以前のコラム「強みをさらに強化する優良企業のための顧客満足度調査」でご紹介した「気に入っている点やもっともこういうことができたらいい/こうしてほしい」を聞き出す以下の質問方法では、すでにある程度充足しているニーズをさらに強化するヒントを探ることができます。

〇〇〇について気に入った点や、ここをもっとこうしてほしいとお考えの点がありましたら、具体的に教えてください。

②「なんとなくぼんやりとした雰囲気があって、そろそろ顕在化しそうなニーズ」を見つける方法

②の「なんとなくぼんやりとした雰囲気があって、そろそろ顕在化しそうなニーズ」には、現状の固定観念がフタをしてしまってなかなか表に出てこれないのかもしれません。

外国の文献には、フタをはずすのに有効な「魔法の杖」質問というのが紹介されています。
「もし、魔法の杖を振ってなんでも変えられるとしたら・・・」と問いかけることで、時間やお金の制約を考える必要をなしにするという方法です。

当社でも同じような方法をご提案しています。「魔法の杖」の代わりに「ドラえもんのポケット」や「なんでもできるAI」などの万能感のあるものを使って制約=フタを取り払う方法です。
最初に、特定の製品やサービスについて面倒や残念に感じていることを挙げてもらったうえで、以下のような質問をします。

もし、なんでもできるAIが、あなたが今、面倒だと感じたり、困ったりしていることを解決する手伝いをしてくれるとしたら、どのようになるとよいと思いますか。

現状の延長線上にある未来を描く「フォアキャスティング」の考え方に対して、理想とする未来の姿を描いたところから逆算して実現のための道筋を考える「バックキャスティング」の発想方法を応用したアプローチです。

③の「今まで誰も思いつかなかったような製品やサービス」のアイデアが天から降ってくるのを待つよりも、具体的な成果を手にできる可能性があります。
クリエイティブな対象者を集めることができれば、n=50くらいのWEBリサーチでも十分に参考になる情報を得ることができると思いますよ。