衆議院選挙の年代別投票率

岸田新内閣が発足しました。
ただし、今回はすぐに衆議院解散→総選挙(投開票は10月31日)となりますので、本格的な政権スタートは選挙後といえるでしょう。

現在の衆議院議員の任期は10月21日までで、本来はそれ以前に選挙を実施しなければならないのですが、衆議院選挙は投票日の12日前には公示する必要があり、これからではとても準備が間に合いません。
任期満了ではなく衆議院の解散でしたら、解散した日から40日以内に総選挙を行えばよいことになります。
当初は11月7日の投開票が有力視されていましたが、10月中に実施しようというのは少しでも早い方が与党有利との思惑でしょう。ただ、岸田カラーが浸透しない内の選挙だと前政権の残像が強くなる面もあるかと思います。

さて、今度の衆議院選挙は、小選挙区:289、比例代表:176の計465議席を巡って争われます。
前回より定数が10削減されました。
コロナ禍での国政選挙ですし、投票率も気になるところです。
ちなみに、前回(2017年)の衆議院選挙の全体の投票率は53.7%でした。

都道府県別投票率

年代別にみると、50代以上で投票率が6割を超えている一方、20代では33.9%と60代(72.0%)の半分以下にとどまっています。
なお、18~19歳の投票率は、18歳(50.7%)と19歳(32.3%)で大きな違いがあり、高校生以外は20代と同じような投票行動になると思われます。

前回衆議院選挙時の年代別有権者数と投票率>

年代別投票率

人口の多い高齢者の投票率が高く、人口の少ない若者で投票率が低いということは、投票者においては人口構成比以上に高齢者の存在感が増すということであり、前回の総選挙の場合は60代以上で半数近くになります。

<前回衆議院選挙時の有権者数/投票者数における年代別構成比>

投票者数における年代別構成比

高齢者の投票率が6~7割であまり変わらないとすると、仮に若年層の投票率が100%近くになったとしても投票者数で高齢層には及びません。
選挙の争点は世代間で対立するものばかりでないとはいえ、高齢者に比べると若者の方が自分の一票の価値を軽視する傾向が強いように思われます。

過去30年くらいのスパンで年代別の投票率の推移をみてみると、2005年の郵政解散や2009年の政権交代時には、政権選択の緊張感もあって一時的に選挙への関心が高まったものの、長期的な傾向としては全世代で投票率は低下してきており、特に40代以下の若い層で大きく落ち込んでいることがわかります。

<衆議院選挙の年代別投票率の推移>

年代別投票率の推移

なお、長期データを年代別に分析する際には

「年齢(加齢)効果」・・・年齢によって変化する要因
「世代(コーホート)効果」・・・生まれた年代によって特徴が異なる要因
「時代効果」・・・年齢や世代に関係なく影響を受ける社会環境の変化による要因

の3つの視点での目配りも大切です。

それぞれの効果がどれくらい影響しているのか判断するのは難しいところもありますが、若い世代の低投票率の今後について考えてみましょう。

現行の選挙制度が続く前提では、彼らが年を重ねるにつれ投票率が上がっていく「年齢効果」も多少はあるかもしれませんが、それよりは「世代効果」の方が大きく、今の高齢世代ほど投票率が高まることはないように思われます。
一方、メディア環境の変化によって投票方法が変わる、あるいは投票以外の意思表示の手段が政治的な力を強める、といった「時代効果」が出てくれば若い世代の意識も変わり、シルバー民主主義の弊害を打破することも期待できそうです。