仮想通貨取引所コインチェックから仮想通貨「NEM」580億円相当が不正流出した事件では、その被害額の巨額さもさることながら、「NEM」の保有者約26万人に総額約460億円を自己資金で返金するということにびっくりしました。「仮想通貨ってそんなに儲かるのか!?」と思った人も多いのではないでしょうか。
仮想通貨を買うことは、投資ではなく投機であるという話を聞きますが、実際、仮想通貨で億単位の資産を築いた「億り人(おくりびと)」と呼ばれる人もいるそうですね。

2017年2月に消費者庁が実施した調査では、「仮想通貨」を利用している人の割合は1.2%でしたが、性/年代別にみると、20代男性では利用率が6.4%に上っていました。

仮想通貨の認知・利用状況
出典:平成28年度消費生活に関する意識調査(消費者庁)

コインチェックの不正流失事件後に実施された民間の調査「若年層調査のTesTee(テスティー)調べ:https://testee.co/」では、20代男性で「仮想通貨を保有している」人の割合は15.7%、20代女性では9.3%であったそうですので、この1年間で、仮想通貨の利用率がかなり伸びてきている可能性があります。

川崎市が毎年実施している「かわさき市民アンケート」(2017年調査は当社がお手伝いさせていただきました!)で、「健康」「老後の生活」「家族」などの15項目の中から、「現在特に関心を持っていること」を聞いています。15項目の中には「お金・財産」も含まれていますので、20世紀の終わりから2016年までの「お金・財産」に対する関心度の推移をみてみましょう。

「お金・財産」に対する関心度
出典:かわさき市民アンケート(川崎市)

大きなトレンドとして、やはり「お金・財産」に対する関心度が高まってきているようです。特に、2008年9月のリーマンショック後に実施された2008年調査では、前年の2007年に比べ10ポイント高くなっています。その後、2014年4月の消費増税の後でも、前年比で4ポイント高くなっています。
サンプル数が少くなるためブレが大きくなりますが、20代の男女での「お金・財産」の関心度についても、リーマンショックや消費増税を契機として高まってきているようです。
来年10月には消費税が10%に引き上げられる予定ですので、今後、さらに「お金・財産」に対する関心度が高まりそうです。

スマートフォン等を利用したモバイル決済、自動で家計簿がつけられる家計簿アプリ・ソフト、ロボ・アドバイザーによる資産運用など、近年、フィンテックに総称される、ITを活用した新たな金融サービスが次々と生まれてきています。
そうしたサービスの多くは、スマートフォンの場合と同様に、まずは若年層から利用が進み、より年代が高い層にも広がっていくという普及過程を描くこととなるでしょう。

フィンテック関連サービス

無料でお試し利用ができるサービスもありますので、ガラケーからスマホへの移行のように、いずれ使うようになるのであれば、「デジタルは苦手で…」などと言って敬遠せずに、自分の生活を便利にしてくれそうなサービスから使い始めてみるのがよさそうです。

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